グザヴィエ・ドラン「マイ・マザー」「Mommy」

『マイ・マザー』の撮影中、僕は母を罰してやろうと思った。あれから5年しか経っていないけれど、断言できる。僕はいま、『Mommy』を通じて母の仇を取ろうとしている。理由はきかないでほしい。 

 グザヴィエ・ドラン監督作品第一作『マイ・マザー』と、最新作『Mommy』を観た。

 

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PHANTOM 語られざりし物語

 

「人間の関係は、それは男女の関係でも、やはり『死ねば死にきり』ということで、それで終わってしまうでしょう。しかし、個々の人間は『死ねば死にきり』でも、一対の男女の関係は、どこかで救済したいという思いがあります。」(吉本隆明「遺書」)

 

オペラ座の怪人は、2004年の映画版を1度DVDで見ていただけだった。ウィキペディアによると、この映画はほぼアンドリュー・ロイド・ウェイバー版に依拠しているらしい。この映画を見たとき、物語の終盤、怪人の住処であるオペラ座の地下へ、灯りを手にした警察官が乗り込んで行くシーンがとても印象に残った。オペラ座の怪人としては、物語のクライマックスを終えた後の、なんということもないシーンだけれど。たまたまその直前に観劇していた「オセロー」(蜷川さん演出で蒼井優ちゃんが主演だった)のラストシーンとダブったからだ。

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Back Cindy - A kind of Cinderella Story

金曜日の夜眠る前に「もうダメだ!やっぱり行こう!」と思い立ち(観念し?)、翌日始発の新幹線に飛び乗りました。

友人に誘われて、6月に「トーマの心臓」を観劇して以来、坂道を転がり落ちる勢いで激ハマりしている劇団、スタジオライフ。
その若手公演が先週末から始まっているのです。
私は8月23日の昼夜公演で、Surfinia&Amabel両チームを観劇しました。
(スタジオライフは基本的にすべての演目をWキャストで上演し、それぞれのチームに素敵なチーム名がつけられます)
初めてのウエストエンドスタジオ、入ってビックリな箱の小ささでしたが、アットホームで居心地のいい空間でした。
あー中野にすみたーい!!!(突然の煩悩)
以下、観劇して考えたことなど、雑感です。

 

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たましいの創造性 ゲスト:萩尾望都

京都キャンパスプラザで開催のシンポジウムに、萩尾望都さんが登壇されるということで、聴講に行って参りました。

人生で初めての生望都さま!!!当日は興奮と緊張(なぜオマエが緊張…という感じですが)でめまいがする程でした。
素敵な方だったな〜望都さま。上品で丁寧でチャーミングで。
伺ったお話もとても面白く豊かな内容でしたので、最近めっきり頼りにならない私の脳内メモリスティックに保存しているだけでは心許ないと、ここに書き起こすことにしました。
というかどうしても文字にしてまとめたいという勢いだけで、ブログを開設。続くんかいな。

すべてニュアンスです。
また萩尾さんのお話は、順序よりもトピック優先でまとめました。

 

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